ある日のこと・・・ 卒業生のSちゃんからメールがきました。

「保育園での運動会にリトミックを取り入れよう思っているんですけど、 乳児(1~2歳)が出来そうなリトミックはありませんか?」

という内容でした。 Sちゃんは保育士になって2年目です。

大学の芸術学部子ども教育学科を卒業したのですが、卒業時には「全国保育士養成協議会」の「会長賞」に選ばれたほどのSちゃん。

当時から熱く自分の信念を持っていました。

幼稚園ではなく保育園を選んだ理由を当時こう話していました。

「先生、私0、1、2歳が好きなんです。三つ子の魂百までって言うように、幼稚園の子どもたちだったら

〇〇先生と〇〇して楽しかった!とか、大好きだった♪とか子どもの記憶に残る年齢なので先生も嬉しいと思う。

0~2歳の子どもにはその記憶はないのでそれを思うと寂しいです。でも考え方を変えると、その子の記憶にはないかも

しれないけれど、記憶ではない、体内に影響を残した最初の人(家族以外で)だから、生まれてきて大切な初めての時期に

係わらせてもらう事に幸せだと思っています」と。

そして子どもにとって最初の係わりは後の影響にも繋がる事も話していました。

 

いざ保育士さんになってみてどうかと訊ねると、

「本当に楽しくて、毎日が驚きと感動ばかりです!でも、おこらなきゃいけない時もあるんですが、・・・この間もね・・」

何を言うのかな?と話を聞くと、

「ある女の子が絵本をビリビリに破いていたんです。それで、あ~~!!こら~~ って言ったらその子両手で自分の顔を

隠して自分の姿を消してるつもりで手でいないいないってやってたんです。もうおかしくて笑っちゃいました~~^^」と。

 

皆さんはどう思いますか?

私はSちゃんの心の豊かさに感激しました。

なぜなら、ついつい破ったことを頭から叱りがちですが、それをしてしまうのはこちらの勝手な都合や感情でもあります。

何かをするには小さい子なりにちゃんと理由があります。

又、理由もなく、本当にそれがしていい事か悪い事かの判断がまだわからないはじめてのことかもしれません。

なので、Sちゃんのように園児ちゃんが顔を隠しているつもりでもちゃんと見えてるんですけど~~と、笑っちゃうという

行動は、とてもその園児をホッとさせたのではないかと思いました。

頭から叱っても園児は「叱られた」ことの印象が強く、事の発端はどっかにいきがちになることもあります。

なので、ホッとしたり、安心したり出来る状態になると、子どもは安心して「ごめんなさい」も言えますし

同じ行動はとらなくなります。

 

Sちゃんは無意識にその行動が可愛くて笑ってしまったのだろうと思いますが、彼女の園児との関わりの根底には

卒業時に話してくれていたあの想いがあるので、様々なことに柔軟でおおらかな対応ができるのだなと

とても嬉しく思いました。

保育士になって初めての昨年に引き続き、今年も運動会係という大役を任されているのも頷けました^^

 

「こんなのも出来るんじゃないかな?こういうのもお薦めよ^^ 」と相談内容も無事クリアし、

そして最後は中・高・大学時代の時と同じに恋愛相談で〆でした(笑)

2年前の4月1日早朝。「先生~!今日から社会人だよ!行ってきま~す!」と希望に満ち溢れたメールをくれ、

スタートした保育士さん。学生時代の真っ黒日焼けのSちゃんから今はすらっとしてすっかり色白の綺麗な女性と

なったSちゃんは変わらず目的と信念を持ってまた一段と素敵な先生になっていました^^

ちなみに卒園式では10数曲をSちゃんが弾くことになったそうです♪

またおいで~~♪